「人と被らない」がここにある
「同じものは作らないんです。全部、一点もの。」
そう話すのは、長与町で45年以上にわたり洋服の補正と手作りバッグを手掛けてきた「田口リフォーム」の田口さん。
白い布を染めるところから始まる、唯一無二のバッグづくりには、長年積み重ねてきた確かな技術と感性が息づいています。

※2025年10月現在の情報です。
補正から始まったものづくりの道
田口さんがこの道に入ったのは、制服関係の会社に勤めていた頃。
そこで培った縫製の知識をもとに独立し、洋服の補正業をスタートしました。
創業から約45年。大手百貨店の補正を手掛けてきた時期もありましたが、現在は地域の人たちからの依頼を中心に、一つひとつ丁寧に仕上げています
補正から始まったものづくりの道
時代の流れが変わる中で、約25年前から手作りバッグの制作を始めました。白い生地を「柿渋(かきしぶ)」で染めるところからすべて自ら手掛けます。使い込むほどに深みが増し、まるで革のように“育つ”質感が魅力です。「かきしぶ染めは、同じ色が二度と出せない。それが面白いところでもあるんですよ」と、田口さんは笑います。デザインや素材の組み合わせもすべて違い、まさに世界に一つだけのバッグ。どれを選んでも“自分らしさ”を感じられると評判です。

機能性と丈夫さにも職人のこだわり
見た目の美しさだけでなく、長く使えるよう細部にまで工夫が施されています。
バッグの角には革をあてて補強し、内側にはポケットやチャックも。
「デザインだけで終わらせたくない。使う人が“これ便利だな”と思ってくれたら嬉しい」と話します。
手ぬぐいや異なる生地を組み合わせることで、デザインの幅も無限大。
ミシンを使い分けながら、ひと針ひと針に想いを込めています。


県外でも愛される“オリジナルバッグ”
現在は店舗販売に加え、大分・福岡・広島など県外の催事でも販売を行っています。
一度購入したお客さまが口コミで友人を紹介してくれることも多く、リピーターが増えているそうです。
価格は5,000円〜10,000円前後と、手間を考えると驚くほど良心的。
「気に入って使ってもらえるのが一番嬉しい」と話す田口さんの言葉に、長年お客様と向き合ってきた誠実さがにじみます。
変わらない手仕事と人のつながり
3月〜4月は学生服の補正依頼で大忙し。
バッグづくりの時間が取れないほど、毎年この時期はミシンの音が絶えません。
SNSでの発信はあえてしていません。
「宣伝しても作る手が追いつかないから」と笑うその姿に、職人気質の誇りが感じられます。
Tシャツをリメイクしたバッグがきっかけで新たな注文が生まれるなど、口コミから広がる温かいつながりも魅力のひとつ。
「人とかぶらない、自分だけのものを」という想いを大切に、今日もミシンの前で一針一針、丁寧に縫い上げています。
お気軽にご来店ください

田口リフォーム
【住所】長与町高田郷1188-19
【TEL】095-887-1666
【営業時間】10:00〜17:00
【定休日】土・日・祝
【駐車場】4台
