◯◯、再発見! 家族の絆が「うまい!」をつくる 〜 海鮮うまいもん屋『てっぺん』〜

※2025年10月現在の情報です。

玄関口の「入らんね」の小看板に誘われドアを開けると「いらっしゃいませ!」と威勢のいい声。

店を切り盛りする今村兄弟(店主右)

店主である兄の今村正義氏を中心として、家族で経営する「海鮮うまいもん屋てっぺん」。祖父の時代から「今村鮮魚店」、「料亭いまむら」とそのスタイルは少しずつ変化していくものの、「食」に関する家業は代々受け継がれ、現店主今村正義氏は三代目。現在の「てっぺん」を作り上げた。

 「なぜ、『てっぺん』と名付けたのか」という質問に対して、店主は「この業界でてっぺん(ナンバーワン)をとる!」。その言葉のとおり、平日(取材日は水曜日夜)にも関わらず、開店と同時にひっきりなしに客が入ってくる。1階フロアのカウンター席、個室(5部屋)もすぐに埋まり、2階(個室数6部屋)へ案内することもしばしば。

2階では大宴会も可能で、部屋の仕切りを取ると最大90名収容できる広さがある。

また、送迎バスまで手配してくれるという、何とも親切なお店だ。まさに、この店の至るところに「てっぺん」にふさわしい細やかな配慮が感じられる。

 さて、店内の様子もさることながら、やはり「てっぺん」の名が世間に周知されているのは何といってもその味だろう。今回の取材では、店主おすすめの逸品を紹介していただいた。

 まず最初に出てきたのが、いちばん人気の「お刺身階段盛り」。なんとも贅沢な盛り合わせである。7種類の魚介が所狭しと並ぶ。長崎県民にはお馴染みのヒラス(ヒラマサ)もアジも新鮮な歯ごたえ。王道の鯛はもちろん階段の最上階。カジキは口に入れた瞬間にホロホロと溶けるほどうまい。

お刺身階段盛り
鶏の唐揚げ

 次に出てきたのは「鶏の唐揚げ」。“海鮮うまいもん屋”ではあるが、この鶏の唐揚げは絶品。下味もしっかりと付いており、何も付けずにそのまま食べるのがいちばんだと感じた。メニュー表を覗いてみると、この「鶏の唐揚げ」は既に100万個を突破しているとのこと。その数が納得できる。

続いて「てっぺん流ゴロ焼き」なるものが出てきた。「ゴロ焼き」とはごろごろに切った肉をゴロゴロ焼き上げるのだそう。鉄板に敷かれたキャベツとゴロ焼きした鶏肉を柚子胡椒に和えて食べると最高にうまい。同じ鶏肉でも、料理過程で使用する肉の部位が違うことや味付けを変えることで、先ほどの鶏の唐揚げとはまったく別の素材を使用しているのかと感じるほどである。同時に食べてもそれぞれのうまみが感じられる、これも逸品。

てっぺん流ゴロ焼き
てっぺん名物 活イカ造り

じっくりと見てほしい。何と美しい色か。てっぺん名物、活イカのお造りをいただいた。これは「イカの王様」とも呼ばれる「アオリイカ」。「ミズイカ」とも言ったりする。これまでの自分の中でのイメージとして、アオリイカは身が真っ白で柔らかく甘い、そう思っていた。しかし今回食したアオリイカは、下敷きの葉の緑がくっきりと見て取れるほど色が透き通っている。テーブルに運ばれた時は、まだイカの足が動いていた。

そして「柔らかいと思っていた」イメージとは違い、食感はコリコリしていた。まさに新鮮そのもの。それには当然の理由がある。ここ、「海鮮うまいもん屋てっぺん」にはいけすが設置され、アオリイカが元気に活きている状態だった。

てっぺんに設置されているいけす アオリイカ
活イカ造り(刺身)からのゲソ天ぷら

 活イカ造りで満足したが、残ったイカの足をその後天ぷらに。刺身で感じたコリコリ感は無く、肉が柔らかい。抹茶塩との相性抜群ですぐに完食。

 常連客も多く、毎日のように通うという方も。町内外に「てっぺん」ファンは数多くいる。今回紹介したメニューの他にもたくさんのおすすめメニューが目白押し。今村家が自信をもって客をもてなすこの店は、雰囲気、味、おもてなし、そのどれもが「てっぺん」である。

ぜひ一度足を運んでいただきたい。

海鮮うまいもん屋てっぺん
【住所】時津町左底郷35-4
【電話】095-882-2341
【店休日】毎週月曜日
(祝日の場合は翌日)

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